ここ近年、「どうしたら病気(がん)と上手に共存しながら、明るく楽しく長生きするか」をテーマとした医療機関で働かせて頂く機会がありました。 私の役割は、患者さんの治療の妨げとなる心の不安や緊張、不安からくる2次的疼痛を少しでも緩和できるようお手伝いすることであり、 リラクセーションのプロとして活動させて頂きました。 試行錯誤の5年の月日はあっという間に過ぎ、その間たくさんの患者さん、そしてその家族の皆様と過ごし、上手く行くこと行かないことを共有しながら人生について多くを学ばせて頂きました。
そして、臨床の中でセラピーとして行うタイ古式マッサージ(以下「タイ式セラピー」)の幅広い可能性をそこで実感しました。 患者さんと家族の間に「タイ式セラピー」があることで、色々なプラスの変化をみることができました。 一番は「看護をしている家族にやれることが増える!」ということで、喜んで頂けたことです。 他の療法との大きな違いは、お互いにとってリラクセーションが身につく為の良い練習法になり、身体感覚、身体機能、コミュニケーションの向上に特に役立ったということでしょうか。
これらのことは看護だけでなく、介護、そして子育等、私たちの生活の中であれば、どの分野にも役立つものです。 タイで行われてきた伝統のマッサージは、本来家族の中で行われ伝承されてきたもの。 伝統マッサージだけでなく、ハーブ療法も同様です。 これらのタイ医学は、臨床の場と家族を繋ぐ「架け橋」としてきっと活用できるはず。 その為には、臨床現場の方々に興味を持って頂き、共に新しい可能性を探りその効果をきちんと証明していくことが重要だと思い、この研究会を立ち上げまし た。 また、各分野に活動を広げていける「臨床タイ式セラピスト」の育成も行い、常に新しい情報を共有しながら知識や技術を磨いていくことで進展できれ ば、と思っております。
皆様の健康と幸せ、心地よい暮らしに少しでも役立つ、社会に貢献できる機関として発展できることを心から願っております。
臨床タイ医学研究会 理事長 石田ミユキ