タイ伝統医学について、「現代養生法(2016)」著:永田晟 では次のように記載されています。
二千年以上前から伝統医学が存在し、四つの分野が見られます。
① 薬草
② 栄養
③ 霊的な祈りの実践
④ 手で触れるマッサージ
(中略)
タイ伝統医学は仏教と同じぐらいの権威を持っています。
約二千5百年前にインド仏教僧の筆頭医師で、釈尊の侍医であったジーヴァカ・クマール・ヴァッカ(Jiivaka Kumar Bhaccha)を創始者とします。インド医学の知識が仏教に載って普及したのはチベットと同じです。ワット(Wat)と呼ばれる寺院が、あらゆる疾患の治療の場でした。
医学記録(カルテ)は仏典と同様に最重要書物であり、旧王朝のアユタヤ寺院に保存されていました。しかし(中略)、ほとんどが失われました(十三世紀頃)。一部が王立寺院(バンコック)のワット・ポー(Wat Pho)の僧たちによって石に刻み込まれました。六十個の石碑がみられ、王室と仏教界の努力が偲ばれます。
タイ伝統医学には、地、水、火、風の四要素が組み込まれ、健康とは、四要素のそれぞれの活力と相互バランスと考えられています。また三要素(ドーシャ)の乱れを万病の源としています。
引用:「現代養生法(2016)」著:永田晟 p31-32より
ただし、近年でタイ医学の区分は変わっており、現在のタイ政府保健省内の伝統博物館では、
①ハーブ療法
②栄養療法
③ルーシーダットン
④タイマッサージ
この4つの項目を主たる伝療法としています。